ユーザー車検後の整備は業者の車検と比べてどう変わるのか!
ユーザー車検後に不具合が発生したら実費で整備費用を負担する事になるのは多くの方が分かっている事だと思います。
よく聞きますよね?ユーザー車検後はに壊れたら自分で整備依頼しないといけないからユーザー車検を受けると返って高くなる!
まあここは当たり前の事ですよね。
そもそも何処にも依頼してないので自分で車検を受けたのだから、車検後に何か不具合が起きても自分で整備費用を払うのは当然の事だと思います。
それでは整備工場で車検を受けた後に不具合が起きたら、全て整備工場が保証してくれるのか?
これ気になりますよね?
よく言われているユーザー車検後の整備費用は自分で払うから返って高くなる!
こうのようにユーザー車検が言われているなら当然整備工場で車検を受けた後は整備工場が整備費用を保証してくれる!!
そう思いますよね?
答えはNOです!!
えっ!?って思いません?
しかし本当です。
整備工場で受けた車検は何が保証されるの?
整備工場で車検を受けた後に車が故障しても保証されない!?
それでは一体何が保証されるのか気になりますよね?
整備工場の車検とユーザー車検の違いの一つとして、車検後の整備保証はとても大きな役割を果たしていると思います。
多くの方はこの保証があるから整備工場で車検を受ければ整備工場が面倒を見てくれるはず!
そう思っているでしょう。
良く聞くのが「整備保証付き」とか聞いた事ないですか?
車検後に点検ステッカーなどにもスタンプが押されていたりします。
フロントガラスの左上の丸いステッカーです。
あれが整備保証の印にもなっていますよね。
あの「整備保証」とは一体どこを保証してくれるのでしょうか?
整備工場が車検後に保証する部分は整備工場が「手を加えた部分」になります。
整備工場が整備した部分を細かく知るには整備工場が車検後に発行している「分解整備記録簿」というのを見れば何処を整備したかが分かります。
つまりここに記載されている作業なら車検後に不具合が起きても保証してくれるという訳です!
分解整備記録簿を見た事がある方は分かると思いますが、結構な項目がありますよね。
コチラが分解整備記録簿です。
ここに赤字でチェックが入っています。これが整備工場側で点検した結果ですね。
これだけの整備項目なのだからほとんど保証してくれるんじゃないのか?
そう思いそうですがもう一度先ほどの保証される部分を思い出して下さい。
保証されるのは「「手を加えた部分」」になります。
分解整備記録簿を見るとほとんどの項目がレ点になっていると思います。
このレ点は「点検良好」の意味です。
点検良好は整備工場では実際に手を加えていません。
では手を加えた部分とはどういった所なのか?
整備工場の車検内容を確認すれば保証内容が分かる
先ほどの分解整備記録簿でのレ点は点検良好なので手を加えた部分にはならないので車検後に何か不具合が起きても保証の対象から外れます。
レ点部分は分解整備記録簿では半分以上か整備工場によっては8割9割にもなる事があります。
こうなるとほとんどの項目が整備保証から外れる事になります。
では分解整備記録簿ではどのような記号が整備になるのか紹介していきます。
- 【分解】 ○
- 【交換】 ×
- 【修理】 △
- 【調整】 A
- 【締付】 T
- 【清掃】 C
- 【給油】 L
ではどのような作業でこの記号が使われるのか紹介します。
分解
主に車の足回り部分の整備をすると分解整備というものになり、車検で多い分解整備はブレーキ関係の整備でブレーキパッドを交換したり、清掃したり、ドラムブレーキも開けたりすると分解整備になります。
足回り以外ではエンジンを脱着すると分解整備に該当する。
これら以外を分解しても分解整備にはならない
例えば
室内ばらばらに分解しても分解整備にはならない。
交換
交換この通りの意味でなにかを交換すると×になる。
修理
修理は部品自体を交換しないで修復させること
例えば
パンク修理なんかはこれに該当する。
調整
調整は各部分が正常に機能するように調整する事
例えば
タイヤの空気圧調整などはこれに該当する。
締付
締付とはボルトやナットなどを規定トルクで締め付ける事
例えば
タイヤのホイールナットの締付などはこれに該当する。
清掃
清掃はこのままの意味でなにか汚れて清掃した場合はCになる。
例えば
エアークリーナーの清掃などはこれに該当する。
給油
給油は油をさす事がほとんどだがウォッシャー液を給油する時もこれに該当する。
以上が作業の記号になります。
これらの記号が分解整備記録簿に記入されていれば、その項目は整備士が何らかしら手を加えた事になるので、もしその部分で車検後に不具合があった時は保証対象になる事でしょう。
もし自分の車に整備工場からもらった分解整備記録簿があれば一度目を通して見ると分かりやすいです。
ほとんどの分解整備記録簿を見てもレ点の方が遥かに多い事に気づきそれほど整備保証に該当されない事に気づくと思います。
ユーザー車検と整備工場で行う素通し車検ではどちらがいいのか?
整備工場によって車検費用は大きく変わってくると思います。
特にディーラーの車検費用は高い!というイメージが強いと思います。
実際にディーラーの車検費用は他の整備工場と比べてみても群を抜いて高いです!
何故あれほど高いのかと思う方もいると思いますが、
他の整備工場より整備がしっかりしている
これが一番の理由になるかと思います。
まあ高い料金払っているんだから当然といえば当然なのですが・・・
ではその逆の格安車検があると思います。
よくチラシやネッとでも見かけますよね?
車検費用が安くてさらに、店舗で待っている間に完了してしまう車検も存在しています。
60分や45分なんていう時間で車検が完了するのですから、時間がない方にとってみたら有り難い事ですよね。
ではこういった所の整備保証はどうなっているのか?
整備工場で行うスピード車検!45分でどこまで整備出来るのか?
ちょっと計算してみましょう。
最初に車をリフトに上げてタイヤを外して悪い所がないかを確認する時間は大体10分ぐらいあれば出来るでしょう。
お客様に説明してどういった整備をするか現状を伝えて確認しないといけません。
整備工場側がお客様の要望を聞かないで勝手に進める事は出来ません。
説明して内容を決めて見積もり作成して金額にOKをお客様がすれば作業が出来ます。
整備箇所の説明と見積もり作成で早く終わっても10分はかかるでしょう。
もしお客様が話が長かったりしたらそれ以上かかると思われますが、早く決まったとして
10分。
ここまでで20分かかっています。
残り25分ありますが、車検には整備が完了したら完成検査をしなくてはなりません。
私は前職では整備士としての作業もしていましたが検査員の資格も持っていましたので「完成検査」という検査もしていました。
スピード車検をする整備工場では自社でこの完成検査ができる工場でなければ超短時間の45分で車検を終わらす事は出来ません。
私は長年、完成検査を毎月200台近くしてきましたが、1台にかかる完成検査の時間はどんなに早く行っても20分はかかります。
では先ほどの25分のうち完成検査が20分なので残り時間は5分です。
5分で全ての車検作業を行うのです・・・
この超短時間の整備をどう思いますか?
こんな超短時間の整備に信頼と価値があるかどうかは私が決める事ではありませんが、これではいくらベテランの整備士でも見落としが発生します。
適正な整備を行える時間ではないのは確かです。
仮に整備時間を長くとったとしても他の作業にしわ寄せがきます。
完成検査などもずさんな検査になりかねません。
こういったサービスは一見便利だと思われがちですが内容がとても薄い車検内容です。
もちろん整備している所なんてほとんどないので保証は無いに等しいぐらいです。
これでは整備工場に車検を出すメリットはほとんどなくなってしまいます。
整備工場に車検を出すなら、しっかりと整備をしてもらえる内容にしましょう。
ユーザー車検と整備工場で行う車検保証の違いは車検の料金によっても変わってきます。
しっかりと整備費用をかけて行えばそれなりに整備保証は付いてきます。
しかし車検費用を極力抑えた素通し車検などでは整備保証はほとんど無いに等しいと思っておいた方がいいです。
結局の所、車検後に何か不具合が起きても100%保証される所はどこも無いという事になりますのでユーザー車検後も整備工場での車検後もどちらとも車検後の不具合は自分の財布から出す事になるので、自分で出来る所は自分で行って出来ない所は任せた方が良いと思います。
私はこのサイトで多くの方に一つでもいいから自分で出来る部分を増やしてもらい、今までの整備工場任せの言いなり車検を何とか変えて行きたいと考えています。
まずは自分で一つでもいいのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。応援します!